分食糖質制限のススメ

コンビニは、昼と夜の間の「分食」にも使える。ビジネスマンの場合、昼の12時頃ランチを摂ったとしても、残業で夜遅くなり、夕食にありつけるのが夜9時以降ということも珍しくない。

その場合、空腹感が高まり、食欲のコントロールが乱れて、ついドカ食いに走りがちになる。しかも血糖値が下がった状態で食事するため、一気にハネ上がり、大量のインスリン追加分泌が起こる。

これを避けるために、コンビニを利用して手際よく分食をすればいい。例えば、外回りの業務を終えてオフィスに戻る前の夕方4時から6時頃の時間帯に、コンビニで軽い食事やティーズフードと呼ばれるナッツなどの食欲をだます食べ物を摂っておく。蒸し鶏サラダに、茹で卵、ブラックコーヒーでもいい。

こうしていわば「前菜」を先に食べておいて、仕事の終わった夜9時以降に居酒屋やバーで軽い夜食として、魚や肉のツマミを摂り、冷奴や湯豆腐でシメる。寝る直前なので、少量で満足感の得られるおでんなどのスープ系の料理もいいだろう。

居酒屋やバーなどではなく、一人でいる時は二度目の夜食もコンビニで、ビール系飲料と焼き鳥、おでんといったシメを買って済ませるのもいい。

夜10時から深夜2時までのゴールデンタイムに眠ると2回、体脂肪を燃やすホルモンが出て、夜中に痩せる。その上、夜に糖質を摂っていないため、夜中にインスリンの追加分泌も起らず、体脂肪を燃焼させるのみである。

一食で時間を空けてドカ食いするのではなく、分食でしかも糖質制限する。身体の本来のリズムに合せたこうした食習慣をある程度集中的に実践すると、インスリンの大量追加分泌と体脂肪の蓄積を行なわずに済み、夜、燃えるべき時間に脂肪が燃えて、朝起きるとスリムになっている。

こうした効果に気をよくして、糖質制限の食事を早目に済ませた後、会社までの一駅を余分に歩くなどの軽いウォーキングをハイブリッドに組み合わせると更に糖質制限の効果が上がるだろう。

このように分食は、食欲を充たしつつ、食欲を押える黄金のテクニックである。

コンビニ食というと味気なさを感じる方も多いかもしれないが、いざ糖質制限していると、毎回毎回美味しい食事をお腹いっぱい食べたいという「過剰な食欲」が抑制される。

そして味覚にも敏感になり、本当に美味しく健康に良いものを、バランスのいい形で少量ずつ食べたいと思うようになる。

つまり無駄な食欲が抑えられ、同時に「心のエクササイズ」もはかれるのだ。

短い時間に、一度の食事で、それも単品で満腹になる。そんな発想は、代謝が活発で、日常業務でも動き回らねばならないヤングビジネスマンならともかく、メタボになってきた中高年ビジネスマンには禁物である。

無駄な食欲に振り回され、膵臓を始めとする内臓を酷使してクタクタに疲れさせるより、どこにでもあり、すぐ歩いて行けるコンビニを利用して、「分食」で食欲を分散しながら満足させる。当然、糖質制限食の基本は守る。こんな理論整然とした食に対する冷静な考え方が、やがて見違えるようなスリムな身体となってアナタの目の前に現れることになるのだ。

「おいしいもの」も、久し振りに食べるからこそ、おいしく感じる。それを毎回の食事で実現しようと考えること自体、「飽食」、いや「呆食」の悪しき習慣であることにやがて気付くだろう。

つまり、「糖質制限食」の本質とは、糖質を制限することによって、心と身体が健康を取り戻し、より健康になる「新たな食習慣」とは何かが分ってくるところにある。そして、一時拡大するにまかせた「食欲」を理性の下で、適性にコントロールできる。そればかりか、体に真に必要な栄養素をバランス良く送り込むことも可能になる。これを当初は「制限」と感じて苦痛にも思えるかもしれないが、やがて、それを続けるうちに、これまでの食事がいったい何だったのかと考えられるようになる。

いわば、「食の革命」であり、それを行なう以前と以後では、世の中が全く違って見える程、新たな視点とわくわくするような達成感、そして「メタボ」、「不健康」と後ろ指を指されていたセルフイメージからの脱却と、単なるダイエット以上の素晴しい効果を与えてくれる食事法なのである。